「ホーム・スチール ~この空を盗め~」
砂花富士ヲ
中古
10,000円(税込)
本の説明
砂花富士ヲはシェア型書店の棚主となるも、売れない毎日が続く。自筆小説をコピー用紙に印字しただけの生原稿状態で展示・販売を試みるも総スカン。なけなしの予算で革製ブックカバーを購入し、タイトル「ホーム・スチール」を刻印。100円ショップで買ったメモ帳にあらすじと序文、仮のラストシーンを記しただけの「本」のようなものを一冊1万円で売る暴挙に出た。
同じ頃、東京世田谷、路地裏の名もなき古書店の店主が、自身で収集した発禁本に焼かれて死亡。ガラスケースには砂花富士ヲ著作「ホーム・スチール」の生原稿が単行本とともに並べられていた。財産分与でもめていた二人の息子が容疑者として浮上したが、ともにアリバイがあった。同じ時間帯に別の球場で草野球をしていたのだ。自殺か他殺か、両面から捜査が進められることに。店主に最後に会った砂花にも嫌疑がかけられ、古本屋発禁本焼死事件は7回裏に突入することに。野球の公式戦で次男拓海と遭遇した際、彼が読んでいたのはマルキ・ド・サドが牢獄で著した未完の小説「ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』。事件は急展開を迎えることに。