炭素文明論「元素の王者」が歴史を動かす
あるケミストの本棚
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本の説明
この世界は何でできているだろう。元素の存在比(重量%)で言えば、宇宙の98%は水素とヘリウム。地球の表面(地殻)は、酸素、ケイ素、アルミニウム、鉄、カルシウムの順に多く、この5種で約90%、炭素は0.08%を占めるに過ぎないごく僅かな元素である。ところが、生き物(人体)となると、酸素に次ぐ2番目に多い(18%)元素に躍り出る。毎日の生活に欠かせない、食料や医・農薬に、エネルギー、これらのほとんどは炭素で構成された「有機化合物」である。世界は元素の王者「炭素」、すなわち「有機化合物」に支配されていると言っても過言ではないだろう。
農耕開始から世界大戦まで、人類は地上にわずか0.08%しか存在しない炭素をめぐり、激しい争奪戦を繰り広げてきた。そして地球温暖化とエネルギー危機に直面する現在、新たな「炭素戦争」が勃発、その勝敗の鍵を握る「人工光合成」技術の行方は……?
「炭素史観」とも言うべき斬新な視点から、人類の歴史を大胆に描き直す、興奮のポピュラー・サイエンス。