幕府密命弁財船・疾渡丸(一)-那珂湊 船出の刻
時代小説SHOW
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本の説明
「時代小説SHOW」時代小説ベスト10【文庫書き下ろし部門】
第5位
早川隆(はやかわ・たかし)
中央公論新社・中公文庫
対象期間中の作品は『(一) 那珂湊 船出の刻』(2024年8月刊)、『(二) 鹿島灘 風の吹くまま』(2024年10月刊)の2作。
♪ 時は慶安。由比正雪の乱の翌年、水戸藩の那珂湊で密かに建造された弁財船「疾渡丸(はやとまる)」。この船には、商船のふりをして諸国を巡りながら湊の平和を守るという、幕府からの密命が下されていました。
那珂湊一の船大工・岩吉が作り上げたこの船は、着脱式の帆柱など、先進的な機能を備えた唯一無二の存在です。その疾渡丸の船頭(船長)には、経験豊富で人情味あふれる岩吉の息子・虎之助が迎えられます。さらに、楫取(副船長)として公儀隠密の仁平が任命され、仕事に厳しい九兵衛が率いる水主(水夫)たちが乗り込んで出航します。
全国の湊では悪が蔓延し、幕府転覆の兆しすら見え隠れする中、この疾渡丸と乗組員たちが主人公となり、勧善懲悪の物語が展開されます。各地の湊の風情やご当地の美味が描かれるだけでなく、捕物のスリルもあり、読みどころが満載です。爽快感あふれる海洋時代小説として、その魅力を存分に堪能できる一作です。
