凧のゆくえ
えぬま書房
中古
770円(税込)
本の説明
芭蕉は山中温泉に九日間も滞在している。泊ったのは泉屋という宿。主人の久米之助は十四歳という若さ。しかも匂い立つような美少年だったという。久米之助は俳句の才にも秀でており、芭蕉はその美しさと若く瑞々しい感性に魅了されてゆく。そして自分の号「桃青」から一字をとって「桃妖」と名乗ることを許す。「桃の木の其の葉ちらすな秋の風」「湯の匂い今宵は肌の寒からむ」芭蕉はこの句を残して山中温泉を去った。久米之助の人生を変えた芭蕉と曽良。百万石加賀藩の支藩大聖寺藩のお家事情を背景に俳人泉屋桃妖の物語。